昨日、棚の整理をしてたら、奥から布のハギレが出てきました。ずいぶん前に教会のバザーか何かで数ドルで買ったもの。
ピンクと茶色のハギレで、形も大きさもバラバラ。これらで超々々簡単なキルト・ブランケットを作ろうと思い立ち、早速お裁縫をはじめました。
まずは、ハギレを同じ形に切る!
縫い合わせる!
3時間ぐらい、ひたすら直線に縫って、キルトトップ(Quilt Top)のできあがり!
ちょっと寒いときにくるまれるような、小さめのブランケットにします。
このキルトトップと裏地に薄い綿(Batting)を挟み、縫い合わせ、縁かがりをすれば完成です。
手間のこというと、このトップを作るまではそうでもなくて、本当に大変なのは、ここからバッティングを挟んで縫い合わせる作業の方です。しつけもかけなくちゃいけないし、完成はいつになることやら・・・。
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キルトというと、日本では、ハワイアンキルトのようにたいへん手の込んだ立派なものを思い浮かべるひとが多いのですが、米国のキルトブランケットは、そういう難しい技術を要するものより、もっとシンプルにザクザク直線に縫い合わせたような素朴なデザインのほうが実は本流です。(下の写真は美しいハワイアン・キルトの例。日本では、キャシー中島さんで有名になりましたね。)
アメリカン・キルトはそもそも、『大草原の小さな家』の時代に、ボロボロになるまで着た服をそのまま捨てるのが勿体ないので、まだ使える部分を切り出してきてハギレを集め、縫い合わせて毛布にした・・・というようなのが始まり。
なので、私が今回作った単純パターンのように、色も模様も違ういろんな布切れを組み合わせて直線縫いした、あまり手の込んでいない簡単に作れて実用的なものが、今でもとても多いです。
昔の人は、モノが豊富じゃなかったから、最後の最後まで使えるものを利用してモノを大切にした、その名残なんですねー。
アメリカ人の中には古い手縫いのキルトをファミリーキルトと呼んで何世代にもわたって使ってるひとも少なくなくて、そういうところ、意外とモノを大事にする人たちです。
布切れのことを英語でスクラップ(Scrap)というのですが、現在は昔の人のように廃品利用をする必要はなくなったけれど、スクラップの組み合わせで作るキルトはいまだに人気で、アメリカには、Scrap Quiltというジャンルがあるくらい、「アメリカン・カントリー・キルトの本流」です。
昔のひとが作ったキルトには、ほんとうに芸術的なものが多く残されていて、スミソニアンやメトロポリタンなどのメジャーな美術館でもスクラップキルトが展示されてます。
ミシンもない時代、名もない主婦が、針と糸で夜なべ仕事でハギレから作った芸術的なフォーク・アートの美しさには感動を覚えるものが少なくないです。
ウィノナ・ライダーが主演した1995年の映画『How to Make an American Quilt』
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