ツイッターで、こんなブログ記事が流れてきました。
『焼き場に立つ少年』
高橋邦典さんとおっしゃるカメラマンの方が書かれたブログです。
一読推奨。
私も、この写真のことも、これを撮影したアメリカ人のカメラマンのことも、高橋さんのブログで拝見するまで、知りませんでした。
この写真とそれに添えられたエピソードが強く心に残り、カメラマンのJoe O'Donnellさんのインタビューを原文で読みたいと思い調べてみると、彼が亡くなった翌年の2008年に『Japan 1945』という白黒写真集が出されていることがわかりました。アマゾンのサイトに書かれていた、オドネルさんというひとのこと。
23歳の時に海兵隊フォトグラファーとして1945年9月に日本に送られ、広島と長崎の原爆投下後の様子を撮影する仕事に従事した。米軍のアーカイブに納められた何千枚という写真のほかに、オドネルさんは自分のカメラで数百枚の写真も撮影していた。しかし、自分が目にした光景に打ちのめされ、彼は自分で撮った写真をトランクに入れて、戦後45年間しまいこんだ。オドネルさんはホワイトハウスのカメラマンとしても働き、放射線にさらされたために病気に犯され身障者となり、自分が目撃した光景に生涯取り憑かれ悩み続けた。1990年代に入ってから、ついにオドネルさんはヨーロッパと日本で撮影してきた自分の写真を公開した。
公開された写真のうちの47枚が、この『Japan 1945』という写真集となって発売された、とのことです。
広島と長崎の焼け野原で目にした光景は23歳の若いカメラマンにはあまりにも過酷で、撮影したイメージを目にしたくないと45年間もトランクにしまい続けていたとは・・・。
オドネルさんは、2007年8月9日、長崎の原爆投下日と同じ日に、テネシー州のナッシュビルで85歳で亡くなった。
オドネルさんの息子さんがMy Space上にページを作り、そこに父親が写した写真や資料を掲載していました。
そのページは、こちらです。The Phoenix Venture (上のカメラマンの高橋さんのブログで紹介されていた、弟を葬るためにやってきた少年の写真も、ここのスライドショーの中に掲載されていました。)
息子さんのマイスペースのページ上に、オドネルさんが広島で50年後の1995年に(おそらく)写真展をひらいたときの本人の言葉も掲載されてたので、原文のまま下に載せます。
NO MORE
As a citizen of the United States of America
I want to express to you tonight my sorrow
and regret for the pain and suffering caused
by the cruel and unnecessary atomic bombings of your cities.
I believe it was wrong; morally wrong.
Just as wrong as the holocaust.
It was a crime not just against history but against humanity.
I walked in the ashes of Hiroshima and Nagasaki
in 1945 and photographed the children, the women,
the elderly, the mutilated and disfigured.
The victims who suffered and died like no other people
in the history of the world.
Now, fifty years later, I pledge to you
that I will not forget what I saw.
We owe it to those who dies to keep their memory alive.
Give their tragic deaths honor by remembering them.
Let them teach us how to respect life.
For them I will continue to speak out and tell them.
Let them teach us how to respect life.
For them I will continue to speak out and tell the
world what it was like in Japan, 1945.
My exhibit will continue to be seen for we cannot, we must not,
let any one country become the victim of attacker again.
No more Hiroshimas! No more Pearl Harbors!
No more Nagasakis!
NO MORE!
For peace is the future and without peace
there will be no future.
~ Joe O'Donnell, August 1995, Hiroshima
情報をシェアいただき有難うございました。
先週 子どもと一緒に長崎に行って慰霊祭に参列し、原爆資料館を見てきました。
サイパン 硫黄島 沖縄、、、 戦争を止めるタイミングはいくらでもあったにもかかわらず、なんでこんな状況になるまで決断ができなかったのか、、、、
結局は 先送りですね。誰も責任をとって決断したくない、責任を負いたくない。今の世界各国のマーケットを巡る政治状況に相通じるところがあるかもしれません
嘆いてばかりでもしょうがないので、一歩一歩、努力はしてきたいと思っています。(どういう結論だ?)失礼しました。
Posted by: Hosoda_kenichi | 08/18/2011 at 10:56 PM
Hosodaさん、コメありがとうございます。
実は、この写真集をみたくて、アマゾンで注文したのです。届けられた写真集をみて、そこに書かれてあることを読み、何がいちばん強く心にのこったかというと、長崎や広島のひとびとのDignityです。徹底的に破壊された町に生き残ったひとびとの、Dignityは失われていなかった。そこに深い尊敬の念と、一種の誇りすら感じました。
Posted by: TrinityNYC (とりんち) | 08/19/2011 at 03:54 PM